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-0001/11/30飲み物とむし歯の関係


皆様こんにちは!鶴見区にある歯科医院!インプラントヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療のうえの歯科医院で歯科衛生士の笹井です☆

 


飲み物とむし歯の関係


 


炭 酸 飲料を飲むと歯が溶ける(脱灰する)という噂、聞いたことありますか?


本当に脱灰するの?


先に応えますと、糖分の多い飲み物を常に摂取することで口腔内が崩壊する(重度のむし歯が多数ある)ケースが臨床現場では多々見られます。


そのメカニズムに関して今日は調べていきます!


 


歯が脱灰するのに必要な条件として酸性度があります。


通常口腔内はpH6.8(ほぼ中性)です。pH5.5以下が臨界pHといわれ、歯が脱灰し始める酸性度です。


炭 酸 飲料の酸性度はpH5以下(中にはpH2.2というものも…!)、歯が脱灰しやすい酸性度であり「炭 酸は歯がとける(脱灰する)」といわれるが所以でしょう。また、炭酸 飲料には大抵大量の糖分が入っています。


糖分はむし歯 菌の栄養源で、むし歯 菌が活発化して歯が脱灰(むし歯になる)します。


むし歯 菌が活発化して歯が脱灰するのに炭 酸 飲料の酸性度は環境が良すぎるのです。


 


飲食をすると口腔内の酸性度が上昇しますが、唾液がそれを中和する効果を持っています。口腔内の酸性度を中和するのにかかる時間は唾液の量や成分によります。口腔内の酸性度を中和するのにかかる時間と酸性度の推移を表にしたのがステファンカーブといいます。


 

ステファンカーブとは

甘いものを口にした際に歯 垢のpHがどのように変化するかを表したグラフ。

実験内容は、10%グルコース溶液で洗口した後、歯垢のpHの時間変化を観察した結果です。

※歯 垢とは…歯の周りにある粘り気のある白っぽい塊。むし歯 菌や歯周病 菌の集まり

歯磨きで除去でき、除去することでむし歯予防・歯周病予防となる

 

再出ですが口腔内の通常値はpH6.8(ほぼ中性)

臨界値はpH5.4~5.6(これを下回ると歯が脱灰する)

 


飲み物とむし歯の関係


上記の図は実験結果をグラフにした、ステファンカーブです。


歯 垢pHは10%グルコース溶液で洗口してから約2分後に最小値pHまで低下しました。


その後1時間かけて通常値pHまで回復しました。


斜線部分は歯 垢が臨界pHを下回っている部分です。つまり脱灰しやすい環境。


斜線の面積が大きければ大きいほどむし歯を誘発するリスクが高いです。


だらだらと飲食するとpHが上がっては下がりの繰り返しで臨界pHを下回る時間が長くなり、斜線の面積が大きくなります。


 


「炭 酸 飲料を摂取した」からといって直ちに歯が脱灰するわけではありませんが、炭 酸 飲料を常に摂取すると全顎的に歯が脱灰しやすくなります。


食べ物の摂取でのむし歯の傾向と飲み物の摂取でのむし歯の傾向の大きな違いは、「全顎的」であること。飲み物は口腔全体にいきわたるため、全顎的に歯が脱灰していきます。


 


最近はやりの糖分の入っていない炭酸 水はどうでしょうか?


炭 酸 水も酸性であることには違いありません。しかし酸性度は水よりわずかに高いくらいで、それが原因で歯が脱灰する可能性は非常に低いことが研究で明らかになっています。糖分を含む炭酸 飲料と比べると1/100以下とされています。


 


この結果より、炭 酸よりも糖分の摂取量が問題となりそうです。例えば、まだ20代の患者様で、口腔内がむし歯で崩壊(多数のむし歯があること)しかけていました。学生のころはむし歯がほとんどなかったそうです。話を聞くと、お仕事は某宅配会社の配達員さん。夏は毎日4リットル以上の某有名スポーツドリンクを常に摂取していました。


その方は熱中症対策として摂取していたのに、それが原因で全顎的にむし歯になってしまったのです。市販のスポーツドリンクも多量の糖分が入っています。飲み物は食べ物よりだらだら摂取する傾向があり、常に口腔内の酸性度が高く保たれてしまい、さらに口腔内全体に行きわたるため全顎的にむし歯のリスクが上がります。


 


糖分の適量摂取は脳の栄養源となるため摂取自体が悪いわけではありません。


糖分を摂取した後、口腔内に糖分が残ることが歯の脱灰の観点でハイリスクです。食べたら歯磨き、できないのであればうがいだけでも酸性度を下げる(中和する)のを助け、口腔内の残糖分を減らす効果があります。


炭 酸 飲料の種類によっても異なりますが、500mlのペットボトル1本分に含まれている糖分はおよそ40gから65g。角砂糖で言うと10個から16個分も入っているということになります。大量の糖分摂取の害はむし歯だけではありません。大量の糖分接種は体を酸性にします。それを中和させるために体内のミネラルやカルシウムなどがたくさん消費されます。カルシウムが中和に取られれば、もちろん骨の代謝も悪くなり骨が弱くなることも考えられます。また、組織が糖化することでコラーゲンの結合が弱まり壊れやすくなります。口腔内で言えば歯肉から出血が増えます。歯 肉から出血すると血液に含まれる良質なたんぱく質が歯周病 菌のえさとなるため、口腔内の出血は歯周病を助長します(詳しくは7/14 歯周病のいろいろにて!)


 


今10歳の子どもたちの平均寿命は100歳を超えるといわれています。


つまり、6歳臼 歯が6歳にはえてきたとして、平均で94年その歯を使うことになります。サメのように歯がどんどん生え変わってくれたらいいのですが人間の歯はどちらかというと歯は退化傾向にあります。全顎義歯になると天然歯の1/6~1/3にまで咬合力が低下します。食べにくくなるということです。


最期まで元気にいきたい!という方、それには歯が大切です。


炭 酸 飲料によって歯や骨が溶けるというのは都市伝説的のようなものですが、糖分の多い飲み物を常に摂取することの弊害は確実に認められます。ちなみに、炭酸+糖分+アルコール=ハイボールです。アルコールは口腔内を乾燥させ、ステファンカーブの斜線面積を広げます。酔っぱらってそのまま寝てしまえば歯は脱灰し放題!


飲む量は適正に、そして飲んだ後には歯磨きを!


 


ステファンカーブを理解して、口腔内が臨界pH以下の時間をできるだけ短くしましょう。


また、歯磨 剤に入っているフッ素を上手に取り入れることでむし歯 予防になります。ポイントは口腔内にできるだけ長い時間フッ素を残しておくこと。


歯磨 きしながら何度も歯磨 き粉を吐き出してしまうとフッ素も一緒に出てしまいます。また、歯磨 き後のうがいフッ素が流れてしまうのでできるだけ少なくしましょう。


そのために


・歯磨 き粉を頻繁に吐き出さない


・すすぐ回数を少なく、水の量はすくなくする(2~3回)


こうすることで フッ素 が口腔内に多くとどまってくれます。


発泡剤の入っていない歯磨 き粉は泡立たないので吐き出す回数を減らすことができます。また歯磨 き粉とは別にうがいが必要のない家庭用のフッ素塗布剤もあります。歯磨き粉で歯磨 きをしてうがいをした後に歯に塗るフッ素です。フッ素を塗った後のうがいが不要なのでフッ素を長く口腔内にとどめられます。


 


うえの歯科医院のむし歯予防


むし歯のなりやすさの違いは歯 質の強弱、口腔内にいるむし歯 菌の種類や量、唾液の質や量、生活背景、食生活など、様々なむし歯の因子をうえの歯科医院では唾液検査や問診から見ることができます。


 


唾液検査の結果や口腔内の状態からそれぞれに合ったむし歯 予防をご提案させていただきますし、飲み物・食生活の習慣も含めて改善提案をすることができます。ぜひ一度、あなたに合ったむし歯予防をうえの歯科医院の歯科 医師、歯科 衛生士にご相談ください!