2021/01/17コロナ禍で歯医者さん、行くべき?キャンセルすべき??~スタンダードプリコーションとは
皆様こんにちは!鶴見区にある歯医者さん!
インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療のうえの歯科医院
歯科衛生士の笹井です。
1都3県で、緊急事態宣言が発令。
不要不急の外出を控えるなかで、歯科は不要不急なのか…?安全だろうか…と考える方も多いのではないでしょうか。
今日はそんな皆様のための情報提供をさせていただきます。
まず、こちらをご覧ください。
歯科医師 0名/3,380医院
歯科衛生士 0名/3,380医院
他職員 0名/3,380医院
患者様 0名/3,380医院
これは、2021年1月4日現在の神奈川県歯科医師会における、歯科治療中の新型コロナウィルス感染者累計数の報告です。
ここまで、歯科治療中の感染は神奈川県においては0名なのです。(ごめんなさい、当院所在の神奈川県しか調べていません。)
※これはあくまでもここまでの結果であり、今後の感染者0を保証するものではありません。
■歯科医院は感染リスクが高い???
なぜ歯科は感染リスクが高いとされていたのにこのような結果が出ているのでしょうか。
→答えは、感染リスクが高いから…です。
歯科医療従事者の感染リスクは非常に高いです。
これはコロナに限らず、ウィルス性肝炎やAIDSなどの従来の感染症においてもリスクが高い職業なのです。
私たち歯科医療従事者は、学校で感染を予防するための知識を学びます。
この予防策のことをスタンダードプリコーション(標準予防策)といいます。
歯科に限らず、医療現場ではこの「スタンダードプリコーション」という考え方が浸透しています。
■スタンダードプリコーションとは?
スタンダードプリコーション(標準予防策)とは、感染症の有無にかかわらずすべての患者様のケアに関して普遍的に適用する予防策である。患者様の血液、体液(唾液、胸水、腹水、心嚢液、脳脊髄液等、すべての体液)、分泌物、排せつ物、あるいは傷のある皮膚や、粘膜を感染の可能性のある物質とみなし対応することで、患者様と医療従事者双方における病院内感染の危険性を減少させる予防策である。
当院に関わらず、おそらくほぼすべての歯科医院では問診表に、感染症の有無を書いてもらいます。でも自己申告です。申告しない方も中にはいるかもしれないですし、自覚のない方もいらっしゃると思います。
なので、すべての人が感染症の可能性があることを前提に診療にあたる。
これがスタンダードプリコーションです。
◇私も疑っていた歯科の感染リスク
実は、私も当初は大丈夫なのか?!と思っていました。
こんなにスタンダードプリコーションが身についていて、こんなに意味のあるものなのかという実績となって見えたのは、意味のあることだと感じています。
ではこの、実績のあるスタンダードプリコーションから、日常に使える手洗いの知識をお伝えしていきたいと思います!
■手指消毒より手指洗浄が絶対先!
器具機材もそうですが、まずは流水でしっかりと洗うことが基本です。
汚れた手をいくらアルコール消毒しても、菌はのここります。まずは手洗いうがいで、しっかり汚れ、菌を落とします。それでも残ったものをアルコール消毒で仕上げるのです。
手洗いの効果についてのデータです(手洗いなしと比較)
手洗いの方法 残存ウィルス数
手洗いなし 約1,000,000個
流水で15秒 約10,000個(約1%)
ハンドソープで10秒または30秒もみ洗い後、
流水で15秒すすぎ 約100個(約0.01%)
ハンドソープで60秒もみ洗い後、
流水で15秒すすぎ 約10個(約0.001%)
ハンドソープで10秒もみ洗い後、
流水で15秒すすぎを2回
約数個(約0.0001%)
この結果を見ると、手洗いがどれほど大切なのかがわかりますね。
■手洗いで菌が残りやすい部位
こちらは、菌が残りやすい部位です。これを意識して手洗いをすることでより手洗いが効果的になります。
■手荒れは感染リスクを上げる?
普段よりも増えた手洗いと、アルコールによる除菌に次ぐ除菌で手荒れを起こしている方も多いのではないでしょうか。
私も日々の水仕事、手洗いの回数の激増によって夏ごろ手荒れに悩まされていました。
しかしこの手荒れ!実は完全リスクを上げてしまいます。
そもそも皮膚は「上皮」と言って、体を守ってくれるものなのです。
手荒れとはこの上皮が弱っている状態のことを言います。もしも手に菌がついた場合、この上皮を通過して菌が体内に入ることはまずありません。
しかし、傷口や荒れて上皮が痛んでいると上皮の防御機能は低下、菌が体内に入ることがあるのです。コロナウィルスが手の傷から感染したという証明などは今のところありませんが、体を守る機能である上皮が弱っているのはいいことではありません。
なぜ手洗いによって手はあれるのでしょうか?
それは、石鹸の使用で皮膚のpHga高くなり、脂質や水分が表皮から奪われ表皮がはがれやすくなるのです。荒れた部分に細菌が付着すると感染の危険が増える。。。ということです。
では手荒れを防ぐ方法とは!
▪手荒れを防ぐ方法
①皮脂除去につながる温水を避ける
→油物の食器洗いなどで温水を使う場合はグローブを徹底しましょう。
②十分な水でのすすぎを行い、石鹸の化学成分の残留を予防する
③手を拭くとき、強くこすらず、やさしくたたくように水分を完全に除去する
④日頃から保湿効果のあるローションやクリームをつかう
→荒れてしまってから使ってもなかなかよくなりません。荒れる前から使いましょう。
歯科での感染リスクは高いですが、高いことと、その予防策を歯科はきちんと実行しています。メディアによる歯科の感染リスクに関して拡大したことによって、歯科を避ける方が多々いらっしゃいました。そのことにより、口腔内の病変(がんなどの粘膜疾患含む)の発見が遅れることが一番怖いです。
口腔内を清潔にしておくことも感染症予防につながりますので、定期健診の受診はぜひ行ってください。しかしながら、公共交通機関などの使用によっての感染リスクは歯科通院に限らず等しくあります。
マスクの正しい着用、手洗いうがいの徹底など、基本的な感染予防対策を十分に行ってください。