インプラント治療に限りませんが治療を成功させるためには、事前の診査や診断がとても大切です。インプラント治療を正確に行なうためには顎の骨の状態を詳しく調べることが非常に重要です。
例えば上顎(上あご)の場合、上顎洞という空洞のような部分があるため、骨が薄くなっている部分があります。
この部分にインプラント治療を行なう場合、上顎洞の下部までの骨の厚みを正確に把握して絶対に上顎洞へ穿孔(突き抜けること)ないようにインプラントを入れなければなりません。
もし、骨の厚みが充分でない場合はGBRや骨移植、ソケットリフトやサイナスリフトという方法で骨の厚さを増やす方法を併用しなければならない場合もあります。
また下顎(下あご)の場合も、下顎管という所に下歯槽神経という太い神経が骨の中を通っています。
この部分にインプラント治療を行なう場合も下歯槽神経(下顎管)までの骨の厚みを正確に把握し、下歯槽神経を傷つけないようにインプラントを入れなければなりません。
GBR法(骨再生誘導法)
インプラントを支える「土台」になる、骨や組織を補うための方法です。
骨を造成し、再生させる技術です。
骨が不足している部分に、膜を用いて骨を作るスペースを用意し、その中に、骨のもとになる骨補填剤を詰めて骨の再生を促す治療法です。インプラントを埋め込むのに十分な骨の厚み、幅がない場合に用いられます。通常は、インプラント埋入手術前に必要な骨を作ってしまうかもしくはインプラント手術のとき、同時に行なわれます。
GBR法を行なうことで、今までインプラントを行なうための骨が不足していた人でも、骨の量を増やすことによりインプラント治療が可能になるケースが増えています。
サイナスリフト (上顎洞拳上術)
上顎の上、ほほの骨の中は、大きく空洞になっています。そこを上顎洞(サイナス)といいます。上顎洞は、鼻腔につながる空洞で、粘膜で覆われています。
上の歯にインプラントをする場合は、上顎洞に到るまでの上顎の骨の中に、インプラントを収める必要があります。
そのため今までは、上顎の骨の厚みが足りない方の場合、インプラントを行なうことができませんでした。しかし今では、上顎の骨の厚みが不足している方でも、インプラントを行なえる技術が開発され実際に活用されています。