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2021/05/09歯科医師になる為に学ぶこと前編

皆様こんにちは!横浜市鶴見区にある歯医者さん

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜

歯周病治療のうえの歯科医院、歯科医師の米長です。


歯学部、というのは世間一般からすると不思議な世界かと思います。

進学を決めた時、歯学部に行く、と伝えたら歴史を勉強するの?と聞かれました。史学、という学問かと思ったようです。

歯学部ではどんなことを学ぶのか、今回は書いていきたいと思います。

大学によって細かい部分に違いはあると思いますが、内容は文部科学省で決められている事かと思いますので、私が実際どんなことを学んできたか、を書かせていただきます。


歯学部は6年生で卒業となります。1~4年で歯科の基礎を学び、5年・6年で実践的知識を学んでいくことになります。

今回は1~4年生編です。


1年生 大学教育の基礎

私は編入で入っているのでここについては詳しく分かりませんが、一般的な大学と変わらないかと思います。

数学や物理・化学、英語など第二外国語のほか、体育などもあったそうです。


2年生 医学を学ぶ上での基本

解剖学:体の構造、骨格、筋肉、臓器、神経や血管など、体全体の事を学びます。実際にご献体から学ばせて頂き、体の構造を学びます。また、解剖は骨や筋肉の名前だけでなく、細胞レベルでも学びます。組織・発生学と呼ばれていました。体がどのような細胞から分化し、どのような細胞になっていくのか。それぞれの臓器における細胞の特徴や機能も学んでいきます。

生理学・生化学:それぞれの組織においてどのようなメカニズムが働いているのかを学びます。筋肉が動く仕組み、唾液が出る仕組み、その成分なども学びます。また骨などの組織がどのようにして作られていくのか、DNAとは、なども学びます。いま話題のPCR検査についても学んでいきます。

歯の解剖学:歯学部以外で学ぶことのない学問かと思います。歯の種類や特徴、歯とは何なのか。歯と口の中の構造、歯の中の構造なども学びます。

薬学:使用される薬全般について学んでいきます。歯科医師も医科で使用されている薬の知識がないと対応できない事があります。薬学は2年生から4年生まで時間をかけて学んでいきます。

放射線学:レントゲン写真を撮る事の多い歯科では2年生から学び始めます。レントゲン撮影の原理や撮影装置のメカニズムなども学びます。レントゲンだけではなく、エコー検査やMRIなど、画像検査全般の知識を学ぶことができます。

理工学:歯科では様々な種類の材料を使用します。また、すでに使用されていない材料でも口腔内には以前の治療が残っていますので、使われている材料が何か分からない、では治療が進みません。材料の特徴やメカニズム、利点欠点を学んでいきます。

医療科学:診察の仕方、面接の仕方、患者さんの心理、医師としての立ち居振る舞いや医療倫理を学びます。人として、という難しい部分を扱う学問です。

衛生学:歯科医師法には「公衆衛生の向上」が歯科医師の責務であると書かれています。歯科医師として社会に寄与するには、という非常に広い範囲の事を学びます。衛生学は2年生から4年生まで、かなりの時間を割かれている、重要な学問です。




3年生 基本的学問の応用と専門知識

病理学:病気であると判断する場合にどのような状態であるのかを判断できなければ診断ができません。正常な状態を組織発生学でまなんだうえで、その違いを学びます。肉眼での変化、顕微鏡での変化、画像診断(レントゲンやエコー、MRI)での変化も学んでいきます。またそれによる症状の変化も学んでいきます。

細菌学:歯科治療は基本的に細菌との戦いです。むし歯はむし歯菌の感染症ですし、歯周病も歯周病菌の感染症です。その他に手足口病やヘルペスなどはウィルス感染によって起こされる代表的な病気になります。これらの細菌の種類や感染過程、感染から発病まで、などを学んでいきます。


3年・4年生 専門的学問

基礎知識を踏まえたうえで、専門的な学問が始まります。

大学病院にある〇〇科というものを一つひとつ学んでいくことになります。

保存修復学・歯内療法学・歯周病学

冠橋補綴学・有床義歯補綴学

外科学・小児歯科学・矯正学

などなど、大学によって分類も様々です。

診断学を学びながら、それぞれの疾患に対する治療方法をすべて学んでいくことになります。

歯科治療は殆どの場合外科処置に含まれます。削る、などですね。ですので、治療の仕方も学問上・教科書上で学ぶ一方で、実際に歯や模型を使って削ったり、埋めたりをしていきます。

外科地処置ですから治療用器具も数えきれないほどあり、一つひとつ名前と用途を覚え、使う順番を覚えていきます。


2年生・3年生で学んだ事が頭にないとつらい時期になってきます。

感染や炎症の様式から診断し、その結果どこまでを削らなくてはいけないのか、そこは何を使って削るのか、削った後はその状況から何で詰めたり膿めたりするべきなのか、など、選択肢が状況状態に応じて非常に増えていくからです。

使う薬剤や材料もその時々に応じて、それぞれのメリットデメリットを考えながら使う必要も出てきますし、その材料によって治療の手順も変わってきます。暗記が増えつつ手も動かせなければならなくなってきます。

また、基礎学問とは違い、教える先生が普段治療を行っている先生に変わってきますので、雰囲気も少しピリッとしていたり。診療の時間を割いて教えてくださるので、やはりそれに応えるのに責任も出てくると思います。


以上簡単ですが、歯科医師になる為の勉強1~4年生編でした。

おそらくですが、歯科医師になるか学者になる以外では一生使い道のない知識と技術を徹底的に叩き込むのが歯学部の最初の4年間だと思います。