ブログ

2022/11/10歯石が黒いと危険な状態?歯周病や口臭の原因にもなっている。

皆様 こんにちは!

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療うえの歯科医院

歯科医師の中曽根です。


皆様、歯石に色の違いがあることをご存知でしょうか?

本日はその違いの観点から歯周病についてお話します。


◼️歯石には白いものと黒いものがある

◇白い歯石=縁上歯石

白い歯石は縁上歯石とも呼ばれ、歯茎より上に付着します。白い歯石は、下の前歯の裏側など唾液線(唾液が分泌される管)に近い部分に付着しやすい特徴があります。


◇黒い歯石=縁下歯石

黒い歯石は縁下歯石とも呼ばれ、歯茎より下に付着します。歯周ポケット内部の歯根面に付着し、血液や滲出液に含まれるミネラルが歯垢(プラーク)に沈着し黒っぽい歯石になります。肉眼で確認ができず白い歯石よりも硬いため除去に手間と時間がかかります。


◼️黒い歯石になってしまう理由は?

◇口内での出血が原因

黒い歯石は、歯垢(プラーク)に血が混ざることにより形成されます。つまり、頻繁に口内で出血することが黒い歯石の原因となってしまいます。

頻繁に口内の出血が起こる場合、歯周病を患っている可能性が高く、それもかなり悪化していることが考えられます。


黒い歯石は、歯周病が悪化することにより形成される4mm以上の歯周ポケットに特に付着します。

健康な歯と歯茎の間にある1~2mm程度の溝(歯肉溝)に、黒い歯石が見られることはほとんどありません。


◇歯周病菌が原因

縁下歯石が黒い色をしている理由は、歯周病の歯茎内に生息するP.G菌と呼ばれる歯周病菌の出す色素が黒いためとも言われています。


◼️日常生活への影響は?

◇強い口臭の原因になる

自分では気付きにくいですが、黒い歯石が付いている場合は口臭がきつくなっていることが多いです。歯周ポケットに歯石が溜まっていると、その表面にどんどん歯垢(プラーク)が付着します。そうなると細菌が繁殖して、歯周病菌は悪臭を放つメチルメルカプタンを多く発生させます。そのため、強い口臭を引き起こす原因となります。


◇全身疾患のリスクファクターに

歯周病菌の一つであるP.G菌は血液中の鉄分を栄養として活性をあげ、ジンジパインという毒素を出します。


この毒素は歯周病が進行するだけではなく、血液に乗って全身に周り、心筋梗塞・糖尿病・アルツハイマーなどのリスクファクターになると言われています。縁下歯石がたくさん口の中にある時の傷口は掌一つ分以上になると言われています。

歯石が黒いと危険な状態?歯周病や口臭の原因にもなっている。

◼️『黒い歯石が自然に取れた』は危険な状態!

◇黒い歯石は自分で取ることは出来ない

白い歯石・黒い歯石ともに自分で取ることはできないと考えておきましょう。

黒い歯石は、より強固にこびりついているため白い歯石よりも除去は困難です。


また、歯石を歯磨きで取ることはできません。つまようじなどを使用して根気よく頑張れば取れる場合もありますが、無理に取ろうとすると歯の表面のエナメル質を傷つけてしまいます。そのため、自分で歯石を取るのは厳禁です。


歯を守っているエナメル質が傷つくと虫歯になりやすいため、かえって口内環境を悪化させてしまいます。歯医者さんで取ってもらうようにしましょう。


◇歯周病がかなり進行している

白い歯石は小さな子供でも付くように、誰にでも付くものです。これは歯磨きを少し怠るとすぐにつきます。でも、黒い歯石は歯周病が進行して歯茎が腫れ、歯茎の歯周ポケットが形成されなければ付くことはありません。そのため、黒い歯石がついている場合は歯周病がある程度進行している証拠だと考えて良いでしょう。


黒い歯石がついているかどうかは、歯科医院で歯周病の検査やレントゲン撮影をすることでわかります。見た目に白い歯石がついていなくても歯茎の溝の中に黒い歯石が溜まっていることはあります。歯石は白いものであれ、黒いものであれ、放置しているとザラザラした表面に歯周病菌がどんどん繁殖し、歯周病を悪化させます。


◇歯が抜け落ちる危険が高い

黒い歯石を放置しておくと、歯を支える骨が溶かされてグラグラするようになり、最終的に歯を失うことになります。黒い歯石ができるのは、歯茎からの出血が頻繁に起こっている状態であり、それは歯周病が悪化していることを意味しています。放置すると危険なため、歯石を除去して歯周病を改善する必要があります。


◼️黒い歯石の除去方法

◇SRP(スケーリング・ルートプレーニング)

黒い歯石は、歯茎の内部(歯周ポケットの中)の歯石であり、白い歯石よりも頑固に歯根表面にこびりついているため、なかなか除去が困難です。白い歯石のようにお水の出る機械で弾くようには落とせないため、それぞれの歯の形、場所に合わせた特殊な器具を用い、一本一本手探りで、丁寧に落としていきます。


歯茎の炎症をそこまで認めない場合には、麻酔をしなくてもそれほど痛みを感じることなく歯石を落とすことができます。痛みに敏感な患者様が麻酔を希望される場合には、局所麻酔をした状態で施術していきます。


◇フラップ手術で除去する場合もある

麻酔をした後、歯茎を切開して歯の根元に付着した歯石を除去する外科的処置です。歯周ポケットの深さが4mm以上、且つ上記の器具が届かない歯石を取り除くときに用いられます。歯石を取り終わったら、歯茎を縫って1週間後を目安に抜糸を行います。


◼️必ず歯科医院で治療を!

歯石が付着した歯にはプラークが溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが大幅に高まります。定期的に歯科医院で歯石除去することを習慣にしましょう。


◼️まとめ

いかがだったでしょうか?

歯石にも種類があり、それぞれに合った対応があります。


今ある歯を大切に、少しでも違和感を認めたらすぐに歯科医院へ行きましょう!

ブログ監修者


医療法人VERITAS うえの歯科医院 

理事長 上野友也


1993年 鶴見大学歯学部卒業

1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了

1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生

2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了

2002年 うえの歯科医院設立

2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立

2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了

2008年 JIADSペリオコース修了

2009年 JIADSエンドコース修了

2010年 JIADS補綴コース修了

2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了

2012年 ニューヨーク大学CDE在籍


• 所  属

国際インプラント学会(ICOI)会員

日本顎咬合学会会員

財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー

OSI会員

JIADS会員

厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医

鶴見大学歯学部附属病院共同診療医

済生会東部病院共同診療医

横浜労災病院共同診療医

日本歯周病学会

日本臨床歯周病学会

日本口腔インプラント学会

鶴見大学歯学部歯周病学講座