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2020/02/16むせることが増えるのは誤嚥性肺炎の可能性も?なりやすい人の特徴とは

皆様こんにちは!横浜市鶴見区にある歯医者さん!

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院、

歯科医師の米長です。


2020年に入ってからというもの

新型コロナウィルスによる肺炎が毎日ニュースになっていますね。


しかしながら歯科で肺炎と言えば誤嚥性肺炎が10年以上前からの課題です。

さて早速ですが誤嚥性肺炎って何でしょう。

なぜ長い間取り上げられているのでしょうか。

今回は誤嚥性肺炎についてです。


〇誤嚥性肺炎とは何か。

〇誤嚥性肺炎はどのようにして起こるのか。

〇どんな人が誤嚥性肺炎になりやすいの?



〇誤嚥性肺炎とは何か。

【誤嚥(ごえん)】・・嚥下(えんげ)を誤(あやま)ると書きますね。

簡単に言うと「飲み込むのを失敗すること」です。

皆さんも経験があると思います。

「むせた」「気管に入った」状態です。

この誤嚥が原因となった肺炎が【誤嚥性肺炎】です。


けれど、ほとんどの方は「むせた」からと言っても肺炎にはなりません。

その場でゲホゲホと咳が出て、涙目になって、

あぁ苦しい くらいですよね。


「この間むせちゃって、そのせいで肺炎になった」


なんて話はあまり聞かないと思います。

むせることが増えるのは誤嚥性肺炎の可能性も?なりやすい人の特徴とは

誤嚥性肺炎が問題となるのは

食べ物や飲み物による誤嚥

そして唾液(だえき)の誤嚥です。

そして、「むせた」のであれば誤嚥性肺炎にはなりにくいんです。

理由は最後にまとめて書いていきますね。

 

〇誤嚥性肺炎はどのようにして起こるのか。

高齢の方や身体能力の衰えた方では身体機能が低下してしまいます。

身体機能が低下してしまうと、「飲み込む力」が低下してしまいます。

この「飲み込む」という動作はベロや喉、喉の奥などたくさんの筋肉が

連動して「嚥下」を作り出す、とても難しい動きをしています。

当たり前に出来ていたことも、難しくなってしまうのが能力低下。

立つ・座る・歩くといった動作は年齢や病気によって困難になることがあります。

飲み込む事も同じなんです。

 

反復唾液嚥下試験(RSST)というものがあります。

せーので自分の唾を繰り返し飲み込む という検査方法で

30秒間で何回の飲み込みができるか が検査指標になります。

 

3回以上できれば正常と判断されます。

喉に手を当ててやってみてください。

 

みなさんは何回できたでしょう。

飲み込むという動作は意外と難しいということが

30秒間、繰り返しやってみるとわかっていただけると思います。

ご家族がいる方は一緒にやってみてくださいね。

 

この嚥下(えんげ)能力が落ちてしまうと

飲み込む時に気管に食べ物や飲み物が入り込んでしまいます。

 

人間の喉の構造はどうなっているのでしょう。

食べ物を胃に運ぶ、食道

空気を肺に運ぶ、気管

この、食道・気管という二つの管が前後に並んでいます。

食べ物を飲み込む時には気管に蓋(ふた)をします。

また息をしている時には食道はしぼんでいます。

これらの機能によって食べ物が気管に入ることを防ぎ

空気が胃に入ることを防ぎます。

 

誤嚥が起きてしまっても

ここで「むせ」が起こると誤嚥(ごえん)したものを気管から

出すことができます。

むせたら米粒が喉から出てくること、ありますよね。

しかし、むせた後もなんか喉が変

なんてこともありますよね。全部を出せるわけではないのです。

飲み物は流れて行ってしまいますから、難しいですね。

つまり、誤嚥の回数や頻度が増えてしまうと誤嚥したものが

気管支や肺へと届いてしまうのです。

また、喉の感覚が低下してしまった場合も同じことが起こります。

感覚が低下してしまうと「むせ」が起こらなくなってしまうからです。

食べ物や飲み物が気管に入ってしまっても反応(むせ)ができずに

気管や肺へと届いてしまうのです。

空気以外のものが肺に入ってしまうと、それは処理できず

組織が傷ついて炎症が起きてしまいます。

肺で炎症が起きると「肺炎」となります。

 

運動能力の低下によって

誤嚥の回数や頻度が増えてしまう。

一方で感覚が低下して「むせ」が起こらなくなってしまうと

問題になるのが唾液(だえき)の誤嚥です。

唾液にはむし歯や歯周病の病原菌をはじめとした

様々な細菌やカンジダ菌などの真菌も含まれています。

これら微生物を多く含んだ唾液は常に口の中にあります。

誤嚥が生じ始めると、食事中でなくても

起きている時、寝ている時 関係なく

常に唾液が肺へと流れて行ってしまいます。

身体にも免疫による防御がありますが

常に細菌が供給されてしまえば戦うことが出来なくなってしまいます。

肺にとってみれば

ばい菌を点滴で投与されているようなもの・・

誤嚥性肺炎の怖さが、なんとなく分かっていただけたでしょうか。

65歳以上では死因の第4位が肺炎

90歳以上では死因の第2位、死因の20%が肺炎です。

この「肺炎」の多くが「誤嚥性肺炎」とされています。

 

〇どんな人が誤嚥性肺炎になりやすいの?

・脳血管障害の方

脳梗塞などを生じると運動機能や反射機能が低下してしまいます。

食べ物を小さくする咀嚼

飲み込むための嚥下

誤嚥の際のむせ(咳反射) などが困難になります。

・肺疾患や心不全のある方

嚥下と呼吸は喉の同じ部分を使います。

非常に難しい連動運動が必要とされるため

呼吸に障害がある方では誤嚥が生じやすくなってしまいます。

・逆流性食道炎(胃食道逆流症)の方

逆流性食道炎(胃食道逆流症)では胃酸が胃から喉へ逆流します。

この胃酸が気管に入ってしまうと、やはり気管・肺を傷害して肺炎を生じます。

・その他運動能力の低下

認知症やパーキンソン症候群などでは運動機能・反射機能・認知機能が低下します。

そのため、一つの症状として誤嚥性肺炎に罹りやすいといわれています。

 

誤嚥性肺炎、意外と身近ではありませんか?

飲み込む時にむせることが増えた

飲み込みにくいと感じる

という方は若い人にも多いといわれています。

ご家族が飲み込む時に咳をする

ぜぇぜぇと音がする

飲み込む時に上を向く なども「飲み込み」能力の低下かもしれません。

 


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新型コロナウィルスが流行っている今だから

誤嚥性肺炎も気にかけてみましょう。


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