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2022/04/28歯周病の進み方

皆様こんにちは!横浜市鶴見区にある歯医者さん

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜

歯周病治療のうえの歯科医院、歯科医師の米長です。


前回の続きです。

プラークが成長して歯石になり、歯石が成長すると歯周ポケットの中で縁下歯石を作ってしまう、そして縁下歯石は免疫応答ではなくなることがない、というお話でした。

免疫応答を起こしてもなくならない歯石に対して、体は傷ついていきます。常にある歯石は細菌の巣ですから、縁下歯石からは細菌という体の敵が常に現れるからです。繰り返し何度も傷つくことで、次第に歯肉の再生能力追いつかなくなってしまいます。体は血液で能力を維持していますが、歯肉は端が決まっていますから、血流は一方通行です。再生能力を失った、または追いつかない歯肉の端の部分はだんだん細菌に負けていきます。「歯肉が下がる」と呼ばれる状態で、歯の露出が増えて歯の根っこ“歯根”が露になります。“歯肉退縮”や“歯根露出”と呼ばれます。体は歯肉が細菌に負ける一方で、体の本体を守ろうとします。歯を支えている、歯の周りの骨である“歯槽骨”がなくなり始めます。炎症から骨を遠ざけて骨格を守る為です。炎症が起こると細胞が壊れて、骨を溶かす物質が分泌されるのです。歯肉と歯槽骨に炎症が及んでしまっている、“歯周炎”が発生してしまっている状態です。

前回の最後にも、「歯ぐきから出血する」状態であると書きました。この時点で実は歯周炎が起きている状態です。歯肉で炎症が起き、細胞が壊されると出血が起きます。そして、細菌の中には血液を好んで餌にするものが存在します。血液は体を維持している液体で、栄養満点です。出血が起きるとそれを好む細菌が一気に増殖し、更にコロニーを大きく、歯石を成長させ、更に深くへ進み、更に出血をさせて、悪循環を作り出します。

体も自分を守るために免疫応答を更に強めます。出血することで体の中に細菌が侵入しようとするからです。細胞が壊されるという事は体のバリアが破壊されたことを意味します。出血している時点で、少なからず細菌は体の中に侵入していきます。細菌の侵入を許してしまった体は、細菌を殺すために白血球を動員します。白血球が大量に送られることで膿を作り出します。ここで“歯槽膿漏”にたどり着いてしまいました。

炎症が歯の周囲に限定で来ている状態だと、その部分に膿が出て腫れていきます。急激な腫れが起こることで痛みを出し、更に周囲の組織を破壊していきます。部分的に炎症をを抑えられていれば出血、膿、腫れと痛みで済みますが、先ほどに書いたように、体に侵入している状態でもあります。侵入が増えると、全身でそれを抑え込むために、その部分や全身で熱を生ずるようになります。重度の歯周炎で発熱が起こる事もあります。

常在菌でも体が弱っていたり、炎症がつよいと、重篤な症状につながってしまうのです。

ここまで強い炎症が起こらない事もあります。軽度の出血がじわじわと続き、特に症状を感じる事もなく縁下歯石が成長していった状態です。長い間これが繰り返されることで、縁下歯石が増えて歯肉と歯槽骨が破壊されていきます。歯肉退縮がある程度まで行くと見た目では歯肉退縮が止まります。しかし内部では歯肉と歯槽骨が壊されます。「歯が揺れている」じょうたいです。体は増え続ける縁下歯石によって、自分の歯を異物とみなし始めます。歯石が増えて歯の根を覆ってしまう頃には歯槽骨がすべて破壊されて、歯肉だけに支えられている状態になります。骨の支えを失った歯はグラグラと揺れます。中には、「自然と歯が抜けた」とおっしゃる方もいます。

日本人では30代から40代の方が歯周病を患いやすいと言われています。それは生活の忙しさや不規則の為であったり、ストレスや加齢による免疫低下であったりが指摘されています。

また、喫煙も大きな原因の一つです。タバコは過熱することで葉を燃やしています。喫煙者は歯肉が常に火傷の状態であるとも言われています。細菌による細胞破壊に加えて火傷による細胞破壊が加わります。またタバコは血流障害を起こすとも言われていて再生を阻害します。

飲酒も要因として考えられています。飲酒自体ではなく飲酒に伴う、食事と、睡眠の低下、歯ブラシの機会損失などが原因と考えられています。

また、家族に歯を失っている方がいる事は重要なリスク因子です。

歯周病は感染症です。家庭内で感染を共有することが大変多いです。ペットを飼っている方の場合、ペットの歯周病から歯科の受診を勧められる方もいらっしゃいます。

犬や猫は本来、固有の歯周病菌を持たないと言われています。家庭で飼育されることで家族の歯周病原菌に感染して、歯周病に罹ります。犬や猫は歯ブラシをこまめに出来ません。かく言う我が家で買っていたトイプードルも、実は歯周病で歯を抜いています。人間に比べて免疫能力の高い犬や猫も歯周病には抗えません。

犬や猫も家族です。家族に歯周病を持っている方がいれば、十分ハイリスクの患者さんとなります。

私も、ハイリスクですね。気をつけましょう。