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-0001/11/30乳酸菌と歯科

皆様こんにちは!鶴見区にある歯医者さん!

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療のうえの歯科医院

歯科衛生士の高橋です


今回は、乳酸菌のお話です!

以前は腸活についてお話させていただきましたが、乳酸菌について

今回はもう少し話を進めていきます。

歯科と乳酸菌はどんな関係があるのか?

腸内フローラってよく聞くけど何?

プロバイオティクスとは?

乳酸菌とビフィズス菌は同じなの?

など、最近耳身にする言葉についてもお話していきます。


 

◆腸内フローラ?

まず、腸内フローラからお話します。

腸内フローラは、聞いたことありますか?

耳にする機会も多くなってきましたね。

私たちの腸内にはたくさんの細菌が生息しています。多種多様な細菌がいます。

細菌は腸内でそれぞれの細菌の生息バランスを取りながら生活をしています。

顕微鏡で腸の中をのぞくと、この細菌たちはまるで植物のように群生している「お花畑(Flora)」のように見えることから腸内の細菌叢を腸内フローラといいます。



◆腸内フローラの研究

腸内フローラの研究が20世紀以降に飛躍的に進展し、腸内フローラがクローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患、大腸がん、肝臓がん、アレルギー疾患、脂質異常症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の発症に深く関わっており、腸内有用菌を増やし腸内有害菌を抑制することで腸内フローラのバランスを良好に保つことが疾患の予防に重要ということが解明されました。

 


◆プロバイオティクス

腸内有用菌に対してプロバイオティクスという言葉が使われるようになりました。

代表的なものに乳酸菌やビフィズス菌があります。

プロバイオティクスは抗菌薬(アンチバイオティクス)に対比して作られた言葉です。

抗菌薬は細菌増殖を抑制し、殺菌する薬であるのに対し、プロバイオティクスには共生するという意味ももちます。

プロバイオティクスを「適切な量で投与されると宿主に健康上の利益を与える生菌」と定義し、現在では腸への活用に限らず生物のもつすべての機能を包括した定義になりました。

 

◆乳酸菌とビフィズス菌の違いは?

乳酸菌とビフィズス菌はともに、人や動物の腸内いる菌で、大量の乳酸を生産する菌です。

乳酸菌は、牛乳・乳製品や漬物などの発酵食品にも生息していますが、ビフィズス菌はおもに人や動物の腸内に生息する菌です。また、ビフィズス菌は乳酸の他にも酢酸も産生します。

乳酸菌にもビフィズス菌にも数多くの菌種や菌株が存在し、酸産生能、抗菌性、免疫調節作用などにおいて、菌特有の性質をもちます。

 

◆お口の中と乳酸菌の関係

お口の中におけるプロバイオティクスの働きとして、微生物やプラーク(磨き残しの塊・歯垢)への直接的作用と

口腔組織や全身への間接的作用の2つがあります。

直接的な作用としては、細菌同士や細菌とタンパクとの結合への作用によるバイオフィルム(細菌が作り出す膜)に対する影響や、ほかの細菌との栄養素の競合、病原菌に対する抗菌物質の産生などがあります。

間接的作用としては、局所や全身の免疫機能の賦活化や細胞透過性の制御による口腔軟膜組織への病原菌の侵入制御、口腔フローラの改善などがあります。

 


◆お口の中で活躍が期待される乳酸菌

口腔内常在菌の種類や数は大腸に次いで多く、口腔内に生存可能な菌種は約700種類、唾液1mlあたりの菌数は10⁸個以上であると言われています。本当に多くの菌が生息しています。

むし歯の病巣にも乳酸菌はいます。

むし歯の病巣から検出される乳酸菌は、昔からむし歯の進行に関わると考えられてきました。むし歯の病巣はpHが低く、嫌気的環境で炭水化物へのアクセスが容易であるため、乳酸菌にとって住みやすい環境です。最近では、むし歯の病巣から高い割合で検出される乳酸菌の種類もわかってきました。

一方、プロバイオティクス研究の急遽な発展により、口腔の健康に貢献する乳酸菌も見出されています。

いくつか紹介していきますね!


「L8020」

むし歯の治療経験がない人の唾液から得られた乳酸菌のうち、むし歯原因菌、歯周病原細菌、真菌に対して抗菌作用を示した菌株です。

L8020配合ヨーグルトを2週間摂取したところ、摂取前に比べて唾液中のむし歯原因菌、歯周病原細菌、真菌が有意に減少したことが報告されています。


「ロイテリ」

下痢・便秘、腹痛、急性胃腸炎、2型糖尿病、喘息等の幅広い領域にわたって研究されており認知度の高い乳酸菌です。近年の口腔内で利用されているロイテリは人の母乳から分離された菌株を改良したものです。乳歯むし歯、インプラント周囲炎、歯周炎、口臭などに対する効果が報告されています。

一方、効果がないという報告が上がっているものもあります。

 

◆まとめ

非常にたくさんの種類のある乳酸菌です。

人の口腔内には膨大な数の細菌を含む口腔フローラが共生しています。

この口腔フローラのバランスの異常はdysbiosisとよばれ、むし歯、歯周病、口臭などの口腔疾患に限らず多くの疾病との関連性が示唆されています。

プロバイオティクスとして利用する乳酸菌に期待するのは、こうした口腔フローラのバランス異常を是正して正常に戻すことです。

ところが、乳酸菌にもまた複数の菌種や菌株があり、種類によって作用や性質が違います。

自分に合ったものを選んでいくことが大切になります。

 

乳酸菌が作用するのは、経口摂取から排便までの間であり、口腔内や腸内に定着し乳酸菌が増殖することは基本的にはないと考えられています。プロバイオティクスの目的は、摂取した乳酸菌を定着させることではなく、繰り返し口腔フローラや口腔粘膜に乳酸菌を触れさせることで、もともと存在していた口腔有用菌を増やし、免疫力を高めることにあります。

乳酸菌の効果を得るためには習慣的に摂取することが大事です!


自分にあった乳酸菌を選び習慣的に乳酸菌を摂取することで、口腔フローラのバランスを整えましょう!

また、当院には乳酸菌のサプリメントもご用意しています!


うえの歯科医院ではお食事の相談も行っています。

食事について聞きたいことがある方はぜひスタッフにお声掛けください!